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エコクリーンの真実5=ごみ処理をするか、やめるか?

(Ms.Kの愛犬、プーさん。ホッコリして読んでください。)

不幸は、何の前触れもなく、襲い掛かる。

突然の地盤沈下。浸出水調整池が破損。

ごみ処理をするか? やめるか? 両刃の剣を突き付けられた私たち。

緊急補強工事を行い、パニックは回避すると決断。

後から来た人たちが、話も聴かずに、「それは背任だ」と言い、地獄に突き落とされた。

皆さんだったら、どう対応しますか?

1 私たちは公社から要請を受け、県と公社から派遣された職員。「ごみ処理をするのが仕事」である。

私~17年4月公社副理事長着任。実質的責任者。理事長はM副知事。県派遣。

Kさん~16年4月技監着任。Iさんと建設工事を担当。県派遣。

Iさん~16年4月参事兼建設課長着任。Kさんと建設工事を担当。宮崎市派遣。

2 浸出水調整池の設計を担当したのは、私たちではない。

設計~コンサルタントに委託。「杭を打たない直接基礎工法」を採用したのは13年公社。

建設工事~14年度~16年度。Kさん・Iさんが着任した16年4月には、浸出水調整池の基礎工事は

既に完了していた。

3 浸出水調整池破損の報告

(1) それは、公社副理事長に着任したばかりの平成17年5月中旬。6月1日からエコクリーンを開業、ごみを受け入れる直前の出来事だった。

(2) 常務など幹部4人がこわばった顔で部屋に入って来た。

「浸出水調整池が破損したと施工業者から報告がありました。このままではごみの受け入れは出来ません。どうしましょうか?」

「エコクリーンで最も危険な浸出水調整池が破損。住民と約束した安心安全が崩壊。開業まで僅か10日。開業できなければ、パニックになる、、。」

頭が真っ白になり、暫く言葉が出なかった。恐怖?ではないが、体がガタガタ震えたこと、今でもはっきり覚えている。

「6月からごみを受け入れるって市町村に約束したっちゃろ。どんげしましょうか?じゃねじゃろ。大至急対応策をコンサルと検討しない。」カットなって言った。

4 コンサルから緊急補強工事の提案

3日位経って、再び4人が部屋へ。

「コンサルと対応策を協議しました。浸出水調整池が破損したのは3つある水槽の1つ。他の2つは基礎杭で補強すれば、ごみの受け入れは可能との判断です。どうしましょうか?」

補強工事をやるしかねじゃろ。」。直ぐ、補強工事の段取りを進めるよう指示した

「これで、最悪の事態(パニック)は避けられる道が開けた」。

5 地域住民の健康被害の防止対策

破損(ひび割れ)した個所は、汚染水が外部に漏れないように、しっかり対策を施した。

毎月、エコクリーン周辺の水質検査を行ったが、異常はなかった。

6 もう一つの難問=事実を公表すべきか否か?

「浸出水調整池が破損したこと」、「補強工事を実施すること」。これは、公務員として、公表すべき重大事案である事は、分かっていた。

「公表しなければ、厳重な処分が下る事案」である事、百も承知していた。

しかし、公表出来なかった。

7 公表出来なかった理由=ごみ処理の大混乱を防ぐため

(1) 市町村と約束したごみの受け入れ時期は6月1日。10日しか残されていなかった。

(2) 報告があった時点では、破損の原因は正確には分からなかった(調べる余裕はなかった)。

(3) 公社は県と14市町村が出資した公的機関。公表するとなれば、「安心安全を確保する観点」から、最低でも次の説明が必要である。

① 破損した原因の調査と調査結果の公表

② 万全な対策を講じた新たな補修工事の概要(設計、工法、工事期間)

(4) 公表すれば、説明や新たな工事に多くの時間を要し、その間エコクリーンは閉鎖(ごみ受け入れは出来ない)せざるを得ない

① 県と14市町村、県議会と14市町村議会、地域住民、報道機関などへの説明と質疑に要する時間は、1か月では終わらないだろう。

② 破損の原因究明、新たな工事設計、工事の発注、工事期間を積み上げると、早くても2年は掛かる。

(5) エコクリーンの1日のごみ処理量は約200トン、If?エコクリーンが閉鎖した場合、こんな大量の

ごみ処理が可能な代替施設は県内は勿論県外にも存在しない

(6) ということは、少なくとも2年、ごみ処理が出来ず、街中にゴミが溢れる事態になるということ

(7) 17年公社は(1)~(6)を熟慮し、「公表しなければ処分されるかも知れないが、ごみ処理の大混乱(市民のパニック)は、何としても防ぐのが公社の使命だ」と思った。

(8) そこで「緊急補強工事を実施し、6月1日からごみを受け入れる。」と決断した次第。

(9)「公表しようにも、公表出来なかった」のである。

8 県課長には「破損の事実」と「緊急補強工事」、そして「公表しない」ことは、私から報告した

9 17年。火災、灰溶融炉の爆発、リサイクル施設の人身事故、膨大な台風災害ごみなど大変な1年。

コンサル・施工業者・SPC(運営会社)・全職員の協力で何とか乗り切りホットしたが、大きな課題が残っていた。

10 それは、「抜本的補強工事をどうするか?」という問題。

県部長との協議を申し入れたが、県は応じなかった。

11 18年3月中旬、異動内示。

「マサカ?こんな大問題を抱えているのに???」

補強工事を担当した2人も公社を離れ、後任が「その大問題を担う」事態になった。

大事な時に、担当した役員と職員を異動させて、県は「住民の安心安全が確保出来る」と思っていたのだろうか?」

(明日に続く)

 

 

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