「今、ソラシドエアがある」のはTさんのお陰。
Tさんがいなければ、SNA再生は叶わなかった。
Tさんは「企業再生のプロ」。午後4時になると、分厚い書類を詰めたバッグを抱え、私の部屋を訪れ、[出口探しに、二人、苦悶する日々」が始まった。
商工が支援に乗り出した時点では、既に「手遅れ」。
「SNA再生に残された道は、金融機関に実情を訴え、支援を要請するしかなかった。」
そして、「面倒極まる銀行団との調整役はTさん以外、託す人材はいなかった。」
Tさんに頼み、主な銀行に集まってもらった。
「県がまた無理な要請をしてくる」。集まった面々は警戒感ありあり。
重苦しい空気の中、マイクを握った。20年も前なので詳細は覚えてないが、、。
「本日お集まり頂いたのは、お察しの通り”SNAに関する金融支援”のお願いです。皆さんはシーガイヤの負債整理の最中で、大変な状況であることは、県も十分承知しておりますが、SNAは宮崎の経済、とりわけ観光振興には欠かせない存在でありますので、恐縮ですが私の話を聴いていただき、前向きにご検討いただきますようよろしくお願いします。」と頭を下げた。
各銀行から
「シーガイヤ支援が失敗だったと株主から厳しく追及されている。」
「その責任は県にある。」
「SNAは、県が公費で支援すべきである。」との厳しい意見が相次いだ。
不満の声を黙って聴いた。
一通り終わった頃を見計らって、再び口を開いた。
「銀行の皆さんが言われる事はごもっとも。反論するつもりはありません。」
「皆さんご指摘の追加の県費補助が可能であれば、銀行を招集して、こんなお願いはしません。シーガイヤが破綻し、リゾート基金の返還訴訟が起こっている状況の中、SNAに対して追加補助は出来ないのです。」
「各銀行も県と同様、厳しい立場である事は承知の上のお願いなのです。」
「地元銀行は何のためにあるのか?その使命を今一度考えて下さい。」
「地元銀行は宮崎県の地域経済の振興・発展に貢献するのが使命であり、役割です。もしSNAが何の金融支援を受けられないまま、破産したら、陸の孤島である宮崎の社会経済に大きなダメージを与えます。単にSNA一社だけの問題ではなくなります。」
「県は、担当の皆さんとこの場で”是か非か”を議論するつもりはありません。本日の会議の主旨をトップにおつなぎ下さい。後日、県幹部が各銀行に改めてお願いに上がります。」
そんな感じで会議を閉じ、私たち県関係者は会場を離れた。
夕方、Tさんが報告に来た。
「あれは”脅し”と、ブツブツ言ってました。」
「じゃろね。脅しよね。たまろかね、、。」
「ま、しょうがね。一つ一つ銀行を廻ってお願いするしかねわね。」
「ご苦労様です。」
そんなこんなで「難儀な後始末」が始まった。(>_<)
明日に続く。
【義母と面会。お陰で元気。コロナは大事に至らず収まったそうだ。】
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