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必殺※後始末人 8 Wカップ(3)インフォメーションセンター

Wカップキャンプの事務局長を命じられた時、次の二つは覚悟していた。

一つ。Wカップは世界最大のスポーツイベント。キャンプと言えども{必ず、金の問題は出てくる」。

二つ。県庁職員は「危ない橋は渡らない。金の問題は危ない。金の問題が出たら、自分がやって、責任を取るしかない。」

シーサイドホテルの賃貸交渉。

私は「閉館中であり、ドイツキャンプの宣伝効果を加味し、R社はドイツの希望にスンナリ応じる」ものと思っていた。この読みは大誤算。

失礼だがR社は”したたか”。世界に君臨する企業の”商魂の凄まじさ”を見せつけられ、「所詮、井の中の蛙」と恥じ入った。

ドイツとR社には大きな金額の開きがあり難航。遂に、あのプライドの高いドイツが、私ごときにヘルプを求めてきた。

キャンプ誘致の自治体競争の過熱。他県の露骨な金銭補助がマスコミで問題視されたが、「宮崎は安易な金銭補助はしない」との共通認識はあった。

「頭を突っ込んだら抜けられなくなる?」不安はあったものの、ここで逃げる訳にはいかない。。

考えても答えは見つからない。職員には任せられない。止むなく、両者の間に入った。

二度三度ハードネゴを重ね、かなり歩み寄ってくれたが、開きは埋まらず、ドイツは苛立ちを露わにし始めた。

「うーん、困った!」

「県がひねり出すしかないか、、?」

「合法的な?支援策。何か?ないだろうか、、?」

”悪知恵”が閃いた。

「そうだ、プレスセンターは2階と3階。1階フロワーを県が借りて、インフォメーションセンターを設置しよう。」

「選手スタッフに加えて400人の記者。皆、宮崎の事情は知らない。案内所は当然必要だし、それなら合法的。議会やマスコミも納得するだろう。」

早速職員に事の経緯を説明、スキーム、県費支出の妥当性についても”会計責任者”に了解を得た。

ドイツとR社に話すと、ウインウイン。三方丸く収まった。

Mさんを呼びプロヂュースを頼んだ。

Mさんのセンスは国際級。

倒産・閉鎖したホテル1階が日本庭園、カフェを備えたインフォメーションセンター、2階が広い記者会見場、3階が報道各社のブースという、素晴らしいプレスセンターに生まれ変わった。

世界のスーパースターが目を見張り、宮崎の評価が一気に上がり、敬意を持って対応してくれるようになった。

”土壇場の捨て身の一策”が「Wカップ次期開催国ドイツの威信を高める」事にも貢献。

ベッケンバウアー会長、ドイツ幹部、選手はもとより、400人の記者も”大絶賛”。

「近場の観光、美味しいグルメなどのガイド」。職員数人が熱心に対応し”大好評だった”ことは言うまでもない。(^^♪

このプレスセンターがN新聞Yさんの記事になった「スポーツランド宮崎の名を世界中に広めた大きな要因の一つ」であった。

【スウェーデンの記者会見は県武道館の一室。ドイツに比べて余りにもチャチ。】

ドイツ程ではないが、県で野点などで装飾、スウェーデンのメンツを守ってやった。

協会幹部、選手スタッフも”宮崎のオモテナシ”をとても喜んでくれた。

【陰の声。金の使い方。宮崎の様な倫理観があれば、政治と金の問題は起きんとにね!】

明日に続く。

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