父は慣れない農作業に、いつも疲れていた。
旅行は勿論、遊んだ記憶もない。
母からは、厳しく躾けられた。
朝の庭掃除、学校から帰ると鶏のエサ、夕方風呂わかし。宿題が終わらないと遊びにも行けなかった。
貧しい、暗い、窮屈。早く、家を出たかった…。
戦地は免れ、命は残ったとは言え、公職追放され、暗転した日常に耐えた父。
子育てが終わった今、比べようもない父母の苦労が分かり、感謝から尊敬へと気持ちが変わった…。
「とうちゃん、よう、がんばったな。ありがとう!」
酒を飲みながら、ゆっくり、語りたかった…。
【家の孔雀サボテンとチェリーセージ】
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