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I先輩

天涯孤独を貫く人でなければ、人生は「出会いと別れの繰り返し、、。」

「生きる道標となる人」もいれば、「理不尽に苦しめられる人」にも出会う。

そんなIfの人生にあって、「I先輩は運命的出会い」。

それは、一期の長崎大を落ち、二期の大分大に滑り込み、貧乏家計のため寮生活を始めた初日の夜半だった。

「起きろ、起きんか!」の怒鳴り声で飛び起きると、入口の扉がバーンと開かれ、数人の猛者がドカドカ、布団に上がり込み、

「正座しろ!」。

一升瓶(酒)を差し出し「飲め!」。

屋台の焼きそばを「食え!」

「???これ何?この男たちナニモノ???」突然の出来事に声も出なかった!

寮伝統のストーム。3年、4年生の特権。

「お前が宮崎の○○か。」

「はい。」と答えると「ラグビー部に入れ。明日、グランドに出てこい。」誘って頂いたのがI先輩。日向市出身。

それから4年間。雨の日、灼熱の夏、自衛隊での血を吐くような合宿、、。ひたすら楕円球を追いかけた「汗と泥の青春、、。」

最初10人いた同級生、体の大きい者から次々に脱落、夏合宿が終わると4人になった。

何度もやめたいと思ったが、「ラグビーは15人で戦うスポーツ。止めたら部が消滅する。I先輩に申し訳ない」との一念で続けた。

当時(60年前)は、どのスポーツでもそうだが「先輩の命令は絶対服従」。

I先輩は4年、俺は1年。普段は温厚で優しい方だったが、親しく話などはできなかった。

一旦グランドや試合に出ると別人。強烈なタックルで敵を吹っ飛ばす。

そんな勇姿に憧れた。

「男に惚れた、、!」のだろう、、。

If?長崎大に合格していたら、、?

If?寮に入らなかったら、、?

I先輩と出会わなかったし、勿論ラグビーもやっていない。

If?そうだったら、俺は軟弱なまま社会に出て、理不尽を平然と振る舞い、クズと消え、当然10JOYCの仲間や美女との出会いもなかった、、。

3月、「今生の別れかも」とのメールがあり、明日、10年ぶりに飲む。宮崎では初めて。

ぶしつけだが、仲間にも声を掛け、数人が集う。

「俺を半人前の男にしてくれた大恩人。会って、話を聴いてもらいたい。」のだ。

【ブログには書けないが、また、理不尽な出来事が起こった。俺、一体どうなっているのだろう、、? 生きるとは、まさにドラマだ、、!】

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